台風21号が日本列島を縦断中ですね。
都内も電車があちこち止まったり遅れたりで、いつもの3倍時間を掛けてやっと帰宅できました。
大きな被害が予想されていたからか、昨日のうちから大阪などの大型商業施設や大手のチェーン店が臨時休業を事前に決めたニュースが話題になりました。
良いことです。
良いことですが、
「台風が来るから休みにしよう!」が当たり前になるにはまだ先が長そう。
わたしの勤務先がテナント出店してる大阪の某商業施設も前日に臨時休業を決定しました。
でもその施設がテナントフロアの臨時休業を決定したのは異例の事態です。
これまでは台風や大きな地震で交通機関がストップしようと、営業を強行してテナント従業員を出勤させていました。
台風や大きな地震が多い今、世の中も少しずつ変わってきてはいます。
が、まだまだ従業員の安全を顧みずに災害時でも無理に出勤させる企業や商業施設はなくなりません。
どんな時にも営業を続ける店というのは利用客にとっては確かに便利かもしれません。
でもその陰で、危険を冒して出勤しなきゃならなかったり交通機関が止まって家に帰れなくなったりと、疲弊する従業員の存在が置き去りになっています。
もうそろそろ、やめた方が良いんじゃないかな。
従業員の命を軽んじるの。
(人手不足なのに、ますます人気なくなりますよね。)
私も20代の頃さまざまな業種・商業施設で販売の仕事をしてきましたが、この点にずっと違和感がありました。
販売の仕事自体は好きでしたが、販売員はこうした非常時には特に、本社や配属先の商業施設に命を軽んじられているような気が拭えず、それが結局辞めた理由の一つとなりました。
非常時に自分の身を守ることを最優先にできない立場は常に不安がつきまとうから。
東日本大震災の際も、ショップ店員として配属先だった都内の百貨店で、その日出勤の同僚達は帰宅困難に。
やむなく従業員食堂(ネズミが走り回るドロドロに汚い空間だった)で一晩過ごし、殆ど眠れずフラフラだったテナント従業員たちは、翌朝百貨店のマネージャーからこのまま店を開店するから働くよう命令されました。
私も近くで帰宅難民となって一晩過ごしてたので、朝ゾンビのようになって合流しましたが、百貨店のまさかの決定に愕然としたものです。
臨時休業したところで人々の生活に支障をきたすような業種でもないのに、働く人々に無理させてまで一体何を守りたいのか理解不能でした。
おまけに無理して営業させられた震災翌日は予想通り閑古鳥で、売り上げもなく人件費だけで赤字状態。
ばかみたいですね。
(というか、いつも閑古鳥な百貨店でした)
まあ、東北の甚大な被害状況とは比較にもならない話ですが、思い出すのも嫌な体験です。
今日も台風直撃のエリアで臨時休業のお店が多い中、営業を強行したお店の従業員さんも少なくはないでしょう。
ほんとうにお疲れ様です。
まずは無事のご帰宅を。
そして願はくばこういう機会が、働く店・会社が今後もずっと自分の命を危険にさらし続けるのに値するのか考えるキッカケになることを。